前回に引き続き、抜型の基礎的な知識をご紹介致します。
抜型について1 前回の記事
今回は抜型の最も大事な部分、「刃物」についてお話しします。
刃物には使用用途に合わせて色々な種類があります。
刃先角度・刃先形状・硬度・高さ・厚みなど。
加工材料の厚み・硬さ・切断面の平滑性に合わせ選択します。その選択には経験や知識が必要となります。
具体的に刃物の種類として一般的に使用される「通常刃」の他に、刃先が鏡面仕上げになっていることで切断面が滑らかに仕上がる「ミラー刃」、厚みのある材料の切断面をなるべくストレートにしたい場合に使われる「片刃」、合紙やベニヤなど厚みがあり硬いものに使われる「2段刃」「3段刃」、材料の糊が刃物にくっつかない様に刃物に表面処理を施した「TKコート刃」や「シルキーコーティング刃」などがあります。
また刃先の角度は30°、43°、60°、42°等の種類があります。刃の角度が鋭くなるほど、切れ味は上がりますが、反面、耐久性が落ちることになります。
これら「刃物」を支えるのはベニヤです。通常使用するのは18.0tですが、抜く材料が柔らかく厚いものにはベニヤを薄くしたり、逆に硬い材料の場合にはベニヤを厚くしたりします。厚みの種類によっては硬質のベニヤを使います。
海外赴任を経験されたお客様から、「どうして海外で作成した抜型は切れないの?」と聞かれることがよくあります。
海外製の刃物は基本的に引き抜きといい、横研磨のため切れが悪いのです。反面、日本製の刃物(一部丸刃やピナクル等を除く)は縦研磨で刃を付けているので切れ味が良いと言われています。
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