事業承継を積極的に始めるようになったきっかけについて

date_range2022/8/15
folderあおぬま通信

城村村田 代表の青沼隆宏です。
我々の事業は紙卸商からはじまり今では真空成型用金型製造、木型造形、ソフビ販売、そして子会社の札幌にあるスズキ工業所ではJR北海道のブレーキ・農機具・漁具等の製造、川口にある子会社である大樹では抜き型製造を行っています。

なぜ紙卸商から始まった我々がこのように多岐にわたる製造を手掛けるようになったのか?をお伝えいたします。
(7月号から続く)

金型会社をM&Aしたのは紙の将来を不安に思ったからでしたが、営業はあまりに畑違いでなかなか先に進みません。真空成形品は主に包装資材として使われます。紙も包装資材として使われます。我々が専門で扱っていた紙は印刷洋紙でした。包装資材に使われる紙がキーになると思いました。

そんな時にタイミング良く銀行から今度は、包装資材に使われる板紙を扱っている紙卸商のM&Aの話が来ました。対象会社の営業エリアが当社のエリアと重なっていました。

それならば我々の倉庫と配送網も共用出来ます。直ぐにM&Aを決めました。先方のオーナーの意向は不動産を残したいとの事でしたので、営業権を買取る事にしました。

今回のM&Aで営業の人数が増えました。ところが板紙の顧客と印刷用紙の顧客を各営業に両方担当させましたが、売上が下がっていきます。それだけでは無く紙器(包装資材)系の顧客へトレーの提案も出来ずにいます。何の為にM&Aを行なったのか?疑問が湧いてきました。

一方で、金型会社は業績を少しずつ上げていきました。
何が違うのか?

違いは明白で紙の営業は、M&Aした事で全くターゲットの違う印刷と包装資材の顧客を両方営業しなければならないという状況でした。つまり専門外を担当しなければならないという問題が起きていたのです。

その一方で金型の営業は従来通り金型の顧客だけを営業すれば良いのです。
悩みました。これでは業績を上げているところで結果を出せない若手の給料を上げる事が出来ません。初めて経営理念の大切さを感じました。勉強する為に中小企業家同友会に入会し勉強を始めました。

その後も紙の売上は減少し、金型の売上は増加を続けました。2008年のリーマンショックまでは。この未曾有の金融危機によって金型の受注が突然前年の50%になりました。

何が起こっているのか理解出来ませんでした。売上は激減し固定費はそのまま。
赤字額はこれまでに見た事のない金額になりました。

何が大切な事なのか?
何を実現したいのか?
この変化の激しい時代に何か一つに特化して生きていけるのか?

答えは簡単には出ませんでした。

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