丸刃の進化・丸刃の今昔-コウバニュース

date_range2023/7/18
folderその他

埼玉県川口市にある精密抜型を得意とする大樹の浅井です。

丸刃は、その名の通り、丸く抜くための刃。丸刃には、「クリヌキ丸刃」 「クリバネ刃(スプリング入り)」 「鉄砲丸刃」「サイドポンチ」といった種類がありますが、使用用途によって選択されます。

今回は「クリヌキ丸刃」についてお話ししましょう。

クリヌキ丸刃は全抜き加工にもハーフ抜き加工にも使用されます。丸刃の内側は空洞で、クリバネ刃のようにスプリングが入っていないため、打ち抜きする素材が刃の内側に詰まらないように跳ね出すために「ハネダシスポンジ」を詰めて使用します。実際に打ち抜き加工されている会社では、永年の経験からハネダシスポンジ以外にもウレタンなど色々使い分けています。

クリヌキ丸刃というと、以前はお客様より 「通常刃の部分はきれいに抜けるが、丸刃の部分抜けない」といったお声をいただき、実際にハーフ抜きすると、通常刃の部分はきれいに仕上がっているのに対して、クリヌキ丸刃の部分は材料に押し込んだ跡だけがついていたり、途中までしか抜けていないということが多々ありました。当時の対策としては、曲げられる径の大きさまでは通常刃で曲げていました。

その後、鏡面仕上げを施した「G-SHOTクリヌキ」が販売されるようになって、質が数段上がり良く切れるようになりました。しかしながら径の整数は0.5㎜単位でメーカー在庫はあるものの、端数は特注になってしまい納期と価格がかかってしまうことからそこまでお客様の支持をいただけませんでした。

最近では、通常クリヌキも進化をし、以前は刃を立ててから焼き入れをしたものが主流でしたが、焼き入れ後に再度刃先を研磨したものに変わってきています。

メーカーによっては、クリヌキ(PLUS)・Mクリヌキと名称は変わりますが、後からもう一度刃を立てることにより、焼きによる歪みが解消されています。切れ味、高さバランスも良く、ハーフカットも問題なく抜けるようになりました。

コメント欄

コメント一覧

現在コメントはありません。

コメントする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA