ホタテ漁用「八尺」を支える私たちの挑戦 ~稚内工場から地域を守る~ -コウバニュース-

date_range2025/1/28
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宗谷地方は、世界でも有数のホタテの産地として知られています。この地域で漁獲されるホタテは、その品質の高さから国内外で高い評価を受けており、日本を代表する水産物として北海道の誇りにもなっています。その成功の裏には、海底に生息するホタテを効率的に漁獲するために欠かせない漁具、「八尺(はっしゃく)」の存在があります。そして、私たちYMスチールスズキは、この八尺のメンテナンスを通じて、宗谷の漁業を陰ながら支えています。

八尺は、鉄製の漁具であり、ホタテ漁には欠かせない重要な道具です。しかし、海中での使用により、八尺は常に塩分による腐食や摩耗の影響を受けるため、定期的なメンテナンスが必要です。このメンテナンスが不十分だと、漁期中にトラブルが発生し、漁業に甚大な影響を与える可能性があります。そのため、私たちは八尺を最適な状態に保つべく、日々取り組んでいます。

八尺(はっしゃく)は漁師によって扱い方が異なり、様々な形状がある

漁期中、私たちは漁師の皆さんに迷惑をかけないよう、迅速かつ的確な対応を心がけています。具体的には、稚内工場に月3週間技術者を常駐させ、八尺のメンテナンスを行っています。必要に応じて、漁港や現場に直接赴き、その場で修理を行うこともあります。このようなフレキシブルな対応により、漁師の皆さんが安心して漁業に専念できる環境を提供しています。

一方、禁漁期には漁期中に使い込まれた八尺をまとめて整備します。この時期には2名の技術者が月2週間稚内工場に出張し、丁寧なメンテナンス作業を行っています。錆びた部分を取り除き、消耗した部品を新しい部品へ交換することで、次の漁期に備えた万全の状態に仕上げています。これらの作業は、漁師の皆さんが安心して高品質なホタテを収穫できる基盤を支える重要な役割を果たしています。

しかし、こうした地道な取り組みを行う一方で、地域には大きな課題も存在します。それは、稚内の人口減少や高齢化の影響です。その為、八尺のメンテナンスを請け負う鉄工所が廃業するケースが増えており、メンテナンス体制が年々縮小しています。このような状況下で、YMスチールスズキは稚内工場を拠点とし、地元の漁業者を支える役割を担っています。私たちは、「ホタテ漁を支える八尺は地域の宝である」という思いを胸に、日々の業務に取り組んでいます。

宗谷の豊かな海で生まれる最高品質のホタテが市場に届き、国内外の食卓を彩るためには、地元の漁師さんの努力だけでなく、それを支える技術や仕組みが欠かせません。私たちYMスチールスズキは、八尺のメンテナンスを通じて、この仕組みを守り続けることに大きな誇りを感じています。

これからも、漁師の皆さんとの信頼関係を大切にしながら、迅速かつ丁寧なメンテナンスを提供していきたいと思います。そして、稚内の地域産業と海の恵みを未来へとつなげるために、私たちにできることを一つひとつ実践していきます。

『オレたちひょうきん族』内に登場した、安岡力也が扮するキャラクター「ホタテマン」。レコードは1983年5月5日に発売

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