Uchoten Factory で 行っている ソフビ製造について―コウバニュース

date_range2023/8/21
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城南村田ホールディングス 代表の青沼です。
今回は東京のUchotenFactoryで行っているソフビ製造についてご説明します。

ソフビ製造は1970年代に最盛期を迎えました。皆さんの記憶にあるかもしれませんが、子供たちが遊んでいたウルトラマンや仮面ライダー等の人形です。

引っ張ると腕が外れてしまったり。いくつかのソフビ工場はセルロイド人形の製造からソフビ製造に事業転換した工場でした。

セルロイドは、世界で初めてのプラスチック系の素材であり、熱可塑性(熱を加えると変形し冷却すると固まる)性質を持ちます。セルロイド製の初めての製品はビリヤードボール(象牙の代わり)でした。その他、万年筆・メガネフレーム・ギター用ピック・卓球ボール・人形等様々な製品に使用されていました。

日本では、1920年代にセルロイド製品の生産技術が導入され、セルロイド製品の製造が始まりました。セルロイド製人形は主におもちゃとして人気を博しました。第二次世界大戦中、戦争資源の制約とセルロイドの素材特性から、セルロイド人形の製造は一時的に減少しました。

しかし、戦後の1950年代になると、セルロイド人形の製造が再び復活し、特に子供向けのおもちゃとして再び注目を浴びるようになりましたが、セルロイド製品の火災事故が多発していた事(セルロイドは発火しやすい)を受けアメリカで可燃物質規制法が成立。

これにより日本製のセルロイド人形などは全てアメリカへ輸出できなくなりました。1960年代には玩具としの人形はソフビ人形に代わることになります。

ソフビの歴史は、1950年代に遡ります。当初、アメリカで医療用具として使われていた柔軟なビニール素材が、玩具業界で利用されるようになりました。日本でも1960年代から、この素材を使用してソフトビニール製の玩具が製造され始めました。ソフビ玩具は、主に怪獣やヒーローキャラクターなどがモチーフとされ、当時は子供が投げたりしても壊れない玩具として、現在ではコレクターの間で人気を博しています。

ソフビの製造技術は、スラッシュ成型というプロセスを基にしています。スラッシュ成型では、材料を金型に流し込んで(材料は流体です)、熱して金型に触れている面を固めます。

その後中心部分の材料を流し出し中空状態にして再度熱を加えて硬化させます。完全に硬化する前に金型から手作業で引き抜き冷却・硬化させます。このプロセスにより、独特の風合いのある立体形状を作り出します。

ソフビ製造は手作業が基本ですが、金型の面付けを増やすことによって大量生産が可能になりました。ソフビの製造において、材料の色選びや塗装も重要な要素です。複数の色の素材を使い、金型内で混ぜ合わせられることで、彩色されたデザインを実現します。

また、細かな塗装作業によって、よりリアルな外観や質感を与えることも行われています。時が経つにつれ、ソフビ製造はさらに洗練され、技術革新が進んできました。素材の特性や耐久性の向上、デザインの多様化、コラボレーション作品の増加など。特に日本では、キャラクター文化の発展と相まって、ソフビ玩具はアートに近い存在として多くのファンを魅了しています。

現代は、ソフビ製造はコレクターアイテムだけでなく、アート作品やデザイナートーイなどの分野でも注目を集めています。アーティストたちは、ソフビの特性を生かした斬新なデザインや表現を試み、その影響力は広がり続けています。

日本のソフビ製造は、60年以上の歴史と進化を経て、多様な表現を獲得しました。技術の進歩とクリエイティブなアプローチにより、これからもその魅力は増していくことになると思います。

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