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世界にはさまざまな「季節のお菓子」があります。
連載「世界お菓子カレンダー」では、フランス・グルノーブルのパティスリーで研修した製菓衛生師のMamiさんに、「世界のさまざまなお菓子」のルーツなどを季節に合わせてご紹介いただきます。
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秋になるとシックなお菓子が恋しくなります。9月は、栗粉で作る素朴なお菓子『カスタニャッチョ』のルーツと作り方をご紹介いたします。
『カスタニャッチョ』は、イタリア・トスカーナ地方で作られる郷土菓子です。16世紀に農民の間で作られたと言われています。
『カスタニャッチョ』は、フィレンツェでは『ミリアッチョ』、リヴォルノでは『トッポーネ』、ルッカでは『トルタ・ディ・ネッチョ』と呼ばれています。また、地域によって厚みに違いもあります。
共通しているのは基本材料が栗粉であることです。栗粉は外皮を剥いた栗を皮でおこした火でいぶし、乾燥させて粉状に挽いたものです。南トスカーナのモンテ・アミアータなどの山間部では栗が多く栽培され、古来、農民の間で秋冬の甘い粉として大切にされました。現在でも栗の収穫期にだけに出回る貴重な食材で、早々に売れ切れることもあるようです。
卵や乳製品などの動物性の食材は一切使わず、砂糖も加えないという素朴なお菓子『カスタニャッチョ』。果たして美味しいお菓子なのか…という心配がつきまといましたが、栗粉が製菓材料店で手に入ったので作ってみました。
【材料】18㎝タルト型
栗粉…150g
水…200ml
レーズン…35g
松の実(ローストしたもの)…15g
くるみ(ローストしたもの)…15g
オリーブオイル…12g
塩…ふたつまみ
オレンジの皮…少々
ローズマリー…適量
【準備】
レーズンを湯に10分浸けて戻し、水気を切っておく。
型にオリーブオイル(分量外)をうすく塗っておく。
くるみを3つ~4つに割っておく
【作り方】
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①栗粉に水と塩を加えてなめらかで均一になるまで混ぜる。
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②松の実、くるみを飾り用に少々取りおき、残りを①に加える。オレンジの皮(表面をすりおろす)も加えて混ぜる。
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③レーズンも②同様に少々取り置おき、残りを加えて混ぜる。
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④オリーブオイルを加えて混ぜ、均一になったら型に入れて表面を平らにする。
180℃のオーブンで約30分焼く。
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⑤松の実、くるみ、レーズン、ローズマリーを散らす。
一口食べてみると、予想をはるかに超える美味しさでした♪
レーズンの甘さはもちろんのこと、栗粉にも優しい甘みがあります。ナッツの香ばしさと食感はよいアクセントに。何より、いくら食べても罪悪感がない(ギルティ―フリー)のが嬉しい!砂糖や乳製品がなかなか手に入らなかった時代だったからこそ生まれた素敵な郷土菓子だと思います。
今月は、農民発祥の素朴な郷土菓子『カスタニャッチョ』のお話でした。
(文・写真 Mami)
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Mami
製菓衛生師。
日本菓子専門学校卒業後、フランス南東の街グルノーブルのパティスリーにて研修。帰国後、洋菓子店勤務を経て、1997年から小さなお菓子教室を始めて現在に至る。
季節感を大切に、素朴かつ洗練されたお菓子づくりを心がけている。
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