◆最後に残る受け口になる◆  ―あおぬま通信―

date_range2026/1/09
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こんにちは。いつもお世話になっております。青沼隆宏です。
 あおぬま通信第133号をお送りします。読みづらい部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。

中小製造業を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。円安による物価高・若手の急激な減少による人手不足・人口減少によるマーケットの縮小。僕が社会に出て30年ちょっと経ちますが、初めて経験する状況です(これまでも、現状に向かって少しずつ進んでいたのですが・・・)。
 人は減り、技術者は集まらず、設備は老朽化し、仕事は減少していく。
 そんな中で、「全部の仕事を守る」ことが出来るのかを考えるようになりました。技術者は減少している中で仕事量を守る。中小企業なので設備投資も限られている。どうしても手作業に近い仕事が我々の主力技術になる。

スズキ工業所とワイエムスチールの合併は、拡大を目的としたものではありません。
 むしろ逆で、「すべてを抱え込まない」ためのものでした。
 仕事を選び、集中し、結果として“続けられる形”に整える。
 この合併は、拡大というよりも縮小するマーケットの中で 継続のための再編 だったと思っています。

仕事を選ぶ、というのは簡単なことではありません。むしろ減少し続ける中で仕事を集めたいと思っていました。
 また長年続けてきた仕事をやめることは、先代を否定するようで勇気が要ります。
 しかし、人口が減り、若手が減り、現場に立てる人間が限られてくる時代において、「全部を引き受け続ける」ことは、やがて誰も引き受けられなくなる未来につながります。

だから僕は、
 「最後に残る受け口になる」
 という考え方を大切にしたいと思っています。

これは、何でも受けるという意味ではありません。
 むしろ逆で、
 ・自分たちが誇りと責任を持ってやり切れる仕事
 ・人を育てながら続けられる仕事
 ・地域にとって必要とされ続ける仕事
 そうした仕事に、意図的に絞っていくという考え方です。

スズキ工業所とワイエムスチールを一体化し、仕事を整理したことで、現場では少しずつ変化が起きています。
 「若手が何を覚えればいいか・どのように育成するか」を工場長と相談し、「ベテランは若手の育成や引継ぎ」を主要な仕事と意識するようになりました。

地域においても、受け口の存在は重要だと思います。
 鉄工場が残ることで、漁業者は漁を安心して行え、
 鉄道は安心して運行でき、
 雪害や防雪設備の維持ができる。
 そうした連鎖が、結果的に北海道を支えていると思います。

人が減少していく中ですべての仕事を残すことはできません。
 しかし、最後まで残る仕事を引き受ける覚悟を持つ工場は、つくることができる。
 そのためには、選ぶこと、減らすこと、集中することが不可欠です。

合併からもうすぐ3年ですが、合併はゴールではなく、そのためのスタートです。
 仕事を整理し、人を守り、技術を残す。
 そして、困ったときに「最後に相談される存在」であり続ける。
 それが、これからの中小製造業に求められる姿なのではないかと思います。

これからも、最後まで責任を持てる仕事を、確実に引き受けていく。
 そんな工場を目指して、今年も歩みを進めていきたいと思います。

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今年の年末にアメリカ時代の友人と食事をしました。彼女との付き合いは28年になりますが、前回会ったのは10年以上前のバンコクでした。久しぶりなのですが、「久しぶり」感がない。もちろんそれは彼女の人柄によるのですが、彼女だけが「会っていない」のに「久しぶり」を感じさせない友人です。次回はコロラドで会いたいですね。

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